卒業生インタビューInterview with current students
Interview #01
大阪大学薬学部 大学生(68期生)
小島 俊美
(おじま としみ)さん
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受験生時代の思い出
誰より早く自習室へ 昇りかけの太陽を見ながら自習室へ向かった受験生時代朝8時頃になると坂を上ってくる清心生で混雑します。私は朝7時半、まだほとんど人がいない坂をゆっくり自分のペースで登校し、自習室へ通っていました。毎朝、自習室へ一番乗りしてお気に入りの定位置に席を取り、約1時間勉強します。勉強に疲れたら外に出て、目の前に広がる街の風景を見ながら気分を入れ替えました。
清心は穏やかで落ち着いて勉強できる環境です。学校にはスマホを持ってこられませんでしたが、今となればそれが良かったと思えることもたくさんあります。スマホで写真を撮れない分、広島の街に陽が昇る様子を記憶に焼き付けておきたいと、自習室に通いながら毎朝眺めたことも大切な思い出です。 -
進路について
薬で多くの命を救う薬剤師という仕事に魅力を感じた両親とも医療従事者でしたので、漠然と医療関係を進路にしたいと考えていました。医学部進学を考えたこともありましたが、中学時代、友達がケガをして血を流すのを見て気分が悪くなり、それ以来、自分は医学部に向かないのでは、と思うようになりました。
考えた末に医師でも看護師でもなく、薬剤師という選択を視野に入れてみると違和感がなく、腑に落ちました。そこで薬学部を志望学部に定め、6年間で薬剤師の資格を取る前提で大阪大学を志望校に決めました。大阪大学は研究型全6年制で、研究者を目指したい人も薬剤師を目指したい人も全員が薬剤師資格を取れる教育課程となっています。東京大学や京都大学は研究者を目指す人が多いためか、薬剤師資格を取る人は少数派です。その点、大阪大学は全員が6年課程で薬剤師資格を取れるように組まれています。これが志望校決定の決め手になりました。 -
受験勉強について
頑張る原動力になったのは、自分一人じゃないという思い高2の頃から、受験に向けて本格的に取り組むようになりました。学校の自習室は夜7時まで使えるので、その日の復習を中心に勉強して帰りました。高3からは放課後だけでなく、朝も勉強時間に充てたいと思うようになり、毎朝、自習室に通うようになりました。私は夜が苦手で、眠くなると頭に入らず、勉強していても効率が悪くなってしまいます。そこで、夜はきっぱり寝ることに決め、代わりに朝5時に起きて家で1時間勉強してから家を出ます。学校についてからも約1時間、自習室で勉強していました。
学校に来れば、皆の頑張っている姿を見て刺激をもらったり、先生から激励の言葉をいただいたりします。一人じゃないという思いがあったから頑張れたのだと思います。今は大学生なので、これからも学業が生活の中心です。受験生のときは勉強ばかりの毎日が嫌になったこともありますが、学生の間はまだ勉強が続きます。でも、受験を乗り越えてきた経験があるからこそ、今も、これからも乗り越えていける基盤となる力ができたように思います。 -
クラブ活動について
書道パフォーマンスに夢中 学年を超えて協力し合ったクラブ活動書道部というと、一人で静かに書いている印象かも知れません。でも、私たちがクラブでやっていた書道パフォーマンスは、迫力を出すために大きな声も出すし、学年を超えて関わることの多いものです。
本番が近くなると、練習のための紙や墨の準備も大変です。紙を貼り合わせて大きな紙を作らなくてはならないので、10分休憩の度に走って書道教室へ紙を貼り合わせに行き、放課後の練習に備えたこともあります。本番直前には朝ギリギリまで練習してから教室に戻るため、手に付いた墨を落としきれないまま、授業を受けたこともありました。私たちがクラブの中心となった高2の時はコロナ禍の真っ最中でした。そのため大会ではいつも通りパフォーマンスを披露することができなかったのですが、代わりに動画で見ていただく機会が得られました。そこで、屋上で書道パフォーマンスの様子を撮影し、放送部の先生にまとめていただきました。動画提出までの期間がひと月ほどしかない中で計画を立てて実施し、まとめ上げられたという達成感を味わった経験です。書道部として共に歩んできた同級生と。(右:小島さん)
高校2年のとき屋上で撮影したパフォーマンスは一生の思い出。
力強い志を感じさせる、高校3年生の春の作品。「私の魂を表現しました」 -
中高一貫校・女子高という環境について
友達、先生、お姉さんや後輩 たくさんの良い出会いお姉さんや後輩たち、支えてくださった先生方、数多くの出会いが清心にはありました。
特に同級生は、中学からずっと一緒だったので皆のことをよく知っています。これからもずっと仲良くしていけるだろうという友人もできました。
大学の同級生によれば、同じ高校出身でも知らない人がいると言います。でも、清心では皆のことをよく知っているし、同じクラスになったことがなくても、いつしか親しくなっていた友達もいます。
私たちはただ顔を知っているというだけでなく、お互いがどんな子かよく知っています。個性を尊重しながらも受け入れて繋がり合い、自分と違う面も否定せず、相手の性格や趣味を理解し合おうという姿勢があり、皆が仲良しでした。また、清心は女子校なので、テントを立てたり荷物を運んだりという力仕事もほとんど自分たちで工夫しながらやっています。「これは男子の仕事」というような固定観念がないため、何でも自分たちでやろうとする積極性が培われます。女子同士だから理解し合えるという面や、団結できる力も女子校だからこそだと思います。