校長日誌

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2020年03年04日 | 校長日誌

放送で以下のメッセージを生徒たちに伝えました。当日、遅刻や欠席した生徒たちにも伝えたいと思い、掲載してみます。急なことではありますが、皆さんが安全と健康に気をつけて、日々を過ごせるように祈っています。なお、各教科・各学年からの愛情たっぷりの課題や通信など、持ち帰っていますので、保護者の皆様もどうぞよろしくお願いいたします。

 この度は、新型コロナウィルス感染防止のために、臨時休校の措置をとることになりました。1月に経験した数日間の急な学年閉鎖などはあっても、このような長い期間において、特に学年末の大事な時期における急な決定は、私たちも経験したことがありません。しかも、2月27日、中学生の皆さんには、放送昼礼で学年末のこれからのさまざまな活動を楽しみにしていると言った、その日の夜からの出来事でした。急な変更、中止などで準備していたことが適わず、申し訳なく、残念な思いでいっぱいです。多くの人たちは、テストがなくなってある意味ホッと?いや、挽回をねらってがんばろうと意気込んでいたのに…と、いろいろな気持ちが交錯していることでしょう。皆さんの感染防止のあり方、家庭での過ごし方、教育の保障のあり方など、私たちも戸惑い、悩み、不安などが交錯しています。しかし、私たちはさまざまな制約がある中で最善を尽くそうとこの間必死で考えました。喜びのときである先日の高校卒業式は、65期卒業生が臨機の対応も立派に務め、巣立っていきました。お姉さんたちは今、後期試験の準備や前期試験の発表などがあり、まだしばらく落ち着かない日々ではありますが、精一杯努力する姿を応援したいと思います。在校生の皆さんの温かいメッセージもしっかり届きました。ありがとうございます。皆さんもテストだけでなく、3・11祈りの集いや中3静修、その他、さまざまな準備をしていたことがキャンセルになったり、今後の予定の不透明さに不安が募ったりするかもしれませんが、一緒にまずはこの事態を受けとめましょう。これまでの過去の事例も含め、さまざまな試練を何とか乗り越えてきた先人たちに習い、与えられた限られた時間を大切に使ってほしい、愛の心で過ごしてほしいという話を具体的にします。
 記憶に新しいところでは、10年前に新型インフルエンザが流行しました。また、2002年~2003年、つまり高Ⅱ・高Ⅰの人たちが生まれた頃、SARsという今回に似た感染症が流行しました。完全に終息するまで時間がかかりましたが、当時、今ほど日本では大きく拡がりませんでした。現在、訪日外国人は年間3000万人以上、これは当時の6倍以上の入国者です。観光立国と言われるほど、日本の政治経済や社会、文化などへの影響は多大です。また、災害でも、大震災や台風・豪雨などにより、大きな影響がありましたが、自助・公助ともに私たちは努力してきました。まずは、落ち着くことが大切です。昨日も買い物に行ったところ、見事にトイレットペーパーなどがありませんでした。間違った情報とはいえ、実際に生活必需品の棚が空になると不安は募りますね。多くの人たちがデマだと訴えているにもかかわらず、不安の連鎖が続いているようですが、きっともうすぐ品物はそろうはずです。冷静に受けとめないと、47年前のようなことになってしまいます。1973年の第四次中東戦争により、オイルショックが起こり、その後、政府がモノを節約しようと訴えました。ここまでは間違っていませんね。ところが、半月後、あるところ、ある日から、人々はトイレットペーパー買い占めに走り、当時、中学生だった私は大人の騒ぎを冷ややかな目で眺めていました。当時、物不足が極端に伝わり、騒動となり、いくら政府や自治体が物はありますと訴えても効果なく、結果的に特定物資の指定による法律まで制定され、五ヶ月かかって騒動がおさまりました。今思えば、私自身も他人ごとでした。歴史から学ぶならば、あれから40年以上経っているのですから、今、必要な人に必要な物が渡るようにしなければいけませんよね。このような事例を家族に聞いたり、本を読んだりして学んでおきましょう。愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶといいます。集団心理として、不安感はこのようなパニックを起こしたときに止められなくなり、時に弱い人たちに刃が向くといいますし、私たち一人ひとりの冷静さが問われています。皆さんも安易なチェーンメールを流してはいけません。

 また、皆さんに次の記事で引っかかる点がないか投げかけてみます。読んでみます。「働くママ悲鳴! 学校の突然の休校に関しては、学校、職場、学童保育、地域、ママ友の助け合いの輪が拡がり始めています。マスクもトイレットペーパーも互いに配慮し合いましょう。」いかがでしょうか? 休校に関わりのある人たちの多くが、日本では女性だということです。何気ない表現ですが、他にも「母親が休みをとるには?」といった見出しをみつけると、なぜ、母親のみなの?と思います。女性の視点は大切ですが、女性だけが背負う課題ではありません。シングルマザー、シングルファーザー、どのような家庭であれ、社会全体が考える課題です。3月のノートルダム会の重点目標はSDGs5番「ジェンダー平等」です。家事や保育の分担など、全国の男子(生徒・学生)も共に考えてほしいですね。

 一番大切なのは命です。特に、皆さんをはじめ、小さな命、弱い命、その命を守るために懸命に働いている人たちの命を守るために、できることを考えて行動しましょう。「ありがとうございました。」という感謝の言葉をいろいろな場で使って、笑顔が大切にされる社会にしたいですね。

 今日の午後から基本的な生活リズムを崩さず、この時期を自分なりの年度末と考え、計画を立てて、時間を有効に使いましょう。必死で勉強してみましょう。自制心、忍耐力も必要。家にいるとき、つらいときは泣いたっていいし、うれしいときは大きく喜んだっていい。愚痴をぼやいてもいい。でも、決して、差別や偏見につながる行動を、特にネット上などで外に向けてはしないこと。何事も過度に依存しないことです。清心生の約束は「心を清くし 愛の人であれ」。今回、日頃から気をつけていても、いつ何が起こるかわかりません。清心生、ノートルダムファミリーは、内輪だけでなく、お互い支え合うことができますね。SDGs折り紙アートを完成させた皆さんなら大丈夫だと信じています。

 皆さんの心が内へ内へばかりいって不安をあおったりしないように、知恵と勇気をもって小さな行動をしてみましょう。読書はおすすめです。新聞が身近にあれば、日頃よりじっくりと読んでみましょう。図書館の本もすでにたくさん借りられていますが、まだ今日も借りられます。学年の廊下にある学年本が空になるくらい、しっかり借りて良質な本を読みましょう。私も「校長日誌」で時に、皆さんにメッセージを送ります。花を育てる、緑を愛でるのは、心が癒やせるし、なかなかいいですよ。

  

 

 大根坂と当分お別れなので、自分なりに身体を動かして健康を保ちましょう。家事、特にゴミの分別、おふろ・トイレ掃除、食卓の片付けなど必要な人もいるでしょう。家族からは本当に喜ばれます。「人にしてもらいたいと思うことを自ら実行して」みましょう。
 具体的な注意事項は、配付されたプリントを、一字一句大切に教室で読んでください。不要不急の外出はせず、ご家族とルールを決めてくださいね。残念ながら若い女子中学生や高校生をねらう悪意が待っていたりします。くれぐれも自分の身は守り、してはいけないことも含めて、自己管理しましょう。安易な誘いには絶対にのらず、NOというべきときにはきちんと断ってくださいね。助けが必要なときは遠慮しないで。

 今朝、アメリカ・フィラデルフィアの姉妹校「アカデミー」理事長のDr.Judith Dwyerから次のメールが届きました。

Please know that our thoughts and prayers are with you and your entire Notre Dame community during this very serious Coronavirus health crisis.

May God bless you and keep you.

ありがたいことです。こうして、つながって祈っていてくださる方々もおられます。同時に、私たちが元気でいることも伝えていきたいと思います。

最後に共同祈願をここで唱えたいと思います。少し瞑黙をしてからお祈りしましょう。

世界中で流行している新型肺炎によって亡くなられた方々を永遠の安息に導き、そして感染され

た方々には、一日も早い健康回復の恵みを与えてください。新型肺炎の防止のために懸命に働い

ている人たち、家族の方々の労苦を顧みてください。一日も早く収束に向かいますように。私た

ちも自分なりにできることを導いてください。

ご一緒に 「主よ わたしたちの祈りを聞き入れてください。」 

それでは、最大限の予防に務め、また、元気に会えることを楽しみにしています。

ありがとうございました。

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