校長日誌

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2019年02年07日 | 校長日誌

2月に入り、雨模様の日もありますが、晴れた日は青空が澄み渡っています。3学期、中1・中2・中3それぞれ平和学習や人権学習に関する講演会を実施しました。講師の先生方、足をお運びくださり、ありがとうございました。学年によっては、2月以降3月にも同様の企画が続きます。

中1:平和学習講演会ということで、社会科の非常勤講師 小林 悟教諭による「被爆体験伝承者を志した原点」…これまでのさまざまな平和活動に加え、当時の学生たちの生活を「市民が描いた絵」などを使っての講演でした。

当時の動員学徒の多くが同じ中1の生徒たちという重なりから、被爆で「安心して普通の学校生活を送りたい」という願いがかなわなかった無念の思いや、戦争のさなかにあっても心から平和を求めた彼らの思いを次の世代に伝えることができればという先生の願いが、日々の教員生活や伝承者活動をはじめ、さまざまな平和活動につながったと聞きました。

戦後にできた本校ですが、実は1945年の夏、今のグランドにあたるところに、秘密の軍需工場があったという事実が判明したのも小林先生の発見がきっかけでした。なお、このことは、「中国新聞ヒロシマ平和メディアセンターウエブサイト2015年6月17日付」に掲載されていますので、お読みください。今年度から国の支援による県外への伝承者派遣事業も始まり、あちこちの都道府県での活動が拡がっているとお聞きしました。

中2、中3:外部講師をお招きしての人権学習講演会でした。担当教員や生徒たちの感想からようすを聞きました。

中2:1月17日に事前に行った人権学習を踏まえて、差別とは人間が人間を否定する行為であること、しかし私たち人間は気づかないうちに自分勝手に人にレッテルを貼ってはいないか、という問いかけがあり、大変重いものでした。そして、それは様々な問題の根としても同じではないか、という話でした。最後に、「正しいことを正しいと見極められるような『出会い』をしてほしい、自分が体験してはじめて本当に腑に落ちて理解することができる。そして『自分』のことを大事にして、相手も大切にしてほしい。」と締めくくられたそうです。

 

中3:先生ご自身が海外留学されたときや中高時代のお話は印象に残ったようです。生徒の感想を見ると、「自分自身の考えをきちんと持ち、Yes,Noがはっきりと言える人になりたい」「自分と人とは違うということを良さとして見られる人になりたい」など前向きな考えになった生徒が多くいました。最後に外国にルーツをもった人も過ごしやすい社会になるためにはどうしたらよいのだろうか、という課題を投げかけていただきました。次回のホームルーム活動でしっかりと話し合い、考えていきたいです。

立春を迎え、播かれた種から芽吹いていく春の訪れを感じます。いろいろな出会いの種が播かれ、生徒たちの心の土壌がさらに豊かに培われていきますように。

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イエスは、再び湖のほとりで教え始められた。おびただしい群衆が、そばに集まって来た。そこで、イエスは舟に乗って腰を下ろし、湖の上におられたが、群衆は皆、湖畔にいた。イエスはたとえでいろいろと教えられ、その中で次のように言われた。「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。ほかの種は茨の中に落ちた。すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。また、ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは三十倍、あるものは六十倍、あるものは百倍にもなった。」そして、「聞く耳のある者は聞きなさい。」と言われた。(マルコによる福音書4章1~9節)

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感謝と祈りのうちに

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