秋の図書室掲示板は・・・『図書館戦争』!
2015年09年02日 | 委員会
読書の秋にふさわしい話題~図書の竹舛先生からです。
今学期も、図書委員会・先生の熱い思いや実践が伝わってきますね。
最初に謝っておきます。思い入れがありすぎて、長文になってしまいました。時間のある方のみおつきあい下さい。
「学校が死ぬほどつらい子は図書館へ」という鎌倉市立図書館のツイッターが話題となっています。夏休みがあけて学校が始まるこの時期、若者の自殺が増えるという現実を受けての図書館からのメッセージは、多くの共感と共に受け入れられているようです。そのメッセージの中に、「一日いても誰も何も言わないよ」という部分もあるのですが、この言葉の背景にある、「図書館の自由に関する宣言」をご存じですか?図書館の精神を高らかに謳ったこの宣言、私も大好きなのでちょっとご紹介しますね。
図書館の自由に関する宣言(抄)
図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
一、図書館は資料収集の自由を有する。
二、図書館は資料提供の自由有する。
三、図書館は利用者の秘密を守る。
四、図書館はすべての検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
先に紹介した「一日いても誰も何も言わない」は、宣言の三に関わっていますね。国民、つまり利用者への奉仕の精神は、図書館員にとって最も重要なものです。利用者を守るためにその秘密(誰が利用しているか、や個人の貸出情報なども大切な秘密です。)は守らなければならないし、利用者が読みたい本を自由に集め、提供することが図書館の使命です。
では、もしも、読みたい本が自由に読めない「検閲」社会が現実となったならば、図書館はどうするのか?「団結して、あくまで自由を守る」ことができるのか…?検閲社会が現実となった日本を舞台に、図書館の戦いを描いたのが有川浩さんの『図書館戦争シリーズ』。有川浩さんが図書館の自由に関する宣言を知ったことをきっかけに生まれたという、本校生徒にも大人気のシリーズを、遅ればせながら私も今夏読んでみました。
感想は一言、「面白かったぁ!!」。利用者を、本を守るために武力で抵抗する図書隊員たちの姿が描かれるわけですが、そこに上手にラブコメ要素を絡めて読者を惹き付けるのがさすが、有川さん。そりゃみんな、「堂上教官かっこいい❤」って思うわけだわ。会話の作り方が上手だから、登場人物のキャラクターと魅力が行間からもあふれてくる感じです。というわけで、10月には映画続編の公開も控えている図書館戦争について、図書館の掲示板に特集してみました。あわせて人気投票も実施中!
“死ぬほどつらい子も、もちろんそうでない子も図書館へいらっしゃい”…読書の秋、清心の図書室にも立ち寄ってみて下さいね。