高Ⅱお試し読書
2019年11年28日 | 日記
高Ⅱ現代文の授業で,「お試し読書」を行いました。お試し読書とは,並べてある本から1冊選び,その本を3分読んだら記録して,また次の本を選ぶ…ということを繰り返す,いわば“本の試食会”です。大学入試への意識がさらに高まる高Ⅱの秋。お試し読書のメニューは,学部ごとに関連書籍を用意する,というものでした。
机ごとに学部が決めてあり,関連する本がずらりと並んでいます。実際に入試に出題された本も当然含まれています。本を読む度に机を移動して広くさまざまな分野の本を手にとる生徒,興味のある学部の机を重点的に回る生徒と,さまざまでした。
生徒の感想をいくつかご紹介します。
・全部面白くて,今までミステリーしか読んでこなかった自分をうらんだ。
・今日読んだ本は表紙も固い印象で,今まであまり手に取ったことがなかったけれど,面白いものがたくさんあって,意外とその本を面白い,まだ読みたいと思っている自分に驚いた。
・さまざまな分野の本を読んでみると,違う系統でもつながっている考えがたくさんあることに気付いた。自分が興味のある分野だけでなく,横断的に色んな分野を学ぶ必要があると感じた。
・気になっている学部の本を読んでもあまりしっくりこなくて,途中であきらめた「教育」にまた火がついた。進路を迷うこの時期にすごくありがたい時間でした。もう少し進路をちゃんと考えようと思いました。
・「こんな本もっと早くから読みたかった」という本があった一方で,面白くないなと思う本もありました。いろいろな本を読めて良かった。
・普段あまり本を読まないので,今回の授業のおかげで読みたいと思える本が増えすぎて,困るほどになった。
・世の中にはいろんなことを考えて,世界をより良くしようとしている人がたくさんいると感じました。全部読みたいです。
・この授業で,大学でやりたいことの一つが確定しました。“本につかる!”(前から何となくやろうとは思っていたのですが…確信に変わりました。)大げさかもしれませんが,知らない世界がいっぱいある!!と思いました。
下の写真は,お試し読書終了後に感想を述べ合ったり,気になる本を続けて読んだりする生徒たちです。
教科担当の教員からのコメントもご紹介します。
進路についての相談も最近増え,学習に対する意欲も増してきた高Ⅱの生徒たちの後押しをしたい,という思いから,今回,現代文の授業と図書館とのコラボ企画として実現した「お試し読書」。1冊につき3分という短い時間でしたが,最初の1冊はちょっと戸惑ったものの,2冊目からはすっと本に入っていけたようで,タイマーの音ではっと我に返る…という様子が見受けられました。中には「現代文の授業は,毎回お試し読書がいい!」という名言も飛び出すなど(ちょっとそれは叶えてあげられないけど),担当者としてはとても嬉しく思いました。
世の中のさまざまな事実,論点,価値観,背景等を知ることは,入試だけではなく,長い目でみてもとても重要なことだと感じます。今回は,あくまでひとつの「きっかけ」作り。入り口はどこからであれ,高Ⅱの生徒たちには,さらに自分の世界を広げ,知ることの楽しさ,「文章を読む」ことの楽しさを,貪欲に味わっていってほしいと思います。