休校の間に,こんな本読んでみました その4
2020年04年15日 | 日記
再びの休校となりました。生徒の皆さんはどんなふうに過ごしていますか?
中学生の休校が始まる直前の13日月曜日,貸出用のパソコンをのぞいた図書委員さんが「先生,大変です!パソコンがバグってます!」とあわてて声を上げました。「どれどれ?」「見てください,貸出冊数が1,350冊とか,あり得ない変な数に・・・」ご安心ください。決してパソコンが壊れたわけではありません。この日は中1さんの図書オリエンテーションで中1生徒全員が本を借りたことに加えて,中2の先生方もHRの合間を縫って図書の本を貸し出す機会を作って下さったため,貸出冊数がびっくりするような数になったのです。たくさんの本を借りて行く生徒がいる一方で,中には「本を借りないといけませんか?」とやや消極的な反応の中2さんも。先生方のたくさんの愛情=たくさんの課題も出たので,その上読書も強制されると,げんなりしてしまうかもしれませんね。でも,読書は義務ではありません。読者には「読まない権利」も「読み終えない権利」も認められているのです!(ダニエル・ペナック「読者の権利10ヶ条」より。)司書の私に出来るのは,皆さんが少しでも本を読みたくなるような機会と情報を提供すること。3月の休校期間中に皆さんが執筆してくれた読書レポートから,今日も本をご紹介したいと思います。生徒の皆さん自身による,バラエティに富んだ選書をお楽しみください。(※学年は執筆した昨年度末のものです。)
野村進『アジアの歩き方』
グローバル化が声高に叫ばれている昨今,大学生になったら,私もちょっとイレギュラーな一人旅をしようかと軽い気持ちでいたのですが,この本を読んだ今では,一人旅には相当の覚悟を要することを学びました。とりあえず,嫌いな食べ物を克服することから始めようと思います。(高Ⅱ)
(一人旅の第一歩が「嫌いな食べ物の克服」。一体どんな食べ物の描写があったのやら。大学生になる来年には,新型コロナも収束し,イレギュラーな一人旅を楽しめる世界であることを祈っています。)
西村京太郎『広島電鉄殺人事件』
いつも通学で広電を使っているので,とても身近で面白かったです。本の中に所々豆知識のようなことが書いてあり,初めて知ることばかりだったので,勉強になりました!とにかく身近すぎる1冊。広島電鉄さん,いつもありがとうございます。(高Ⅰ)
(本への,というよりは広島電鉄さんへの愛があふれた読書レポート。この本,今年1月~3月の広文館さんの文庫売り上げランキング第1位にも輝いています。広島電鉄さん,いつもありがとうございます。)
朝井リョウ『桐島,部活やめるってよ』
この物語を読んでまず驚いたのが様々な人からの視点で描かれているのに「桐島本人が出ていない」ということです。つまり,あれだけ話題として挙がっているにも関わらず,他の登場人物の視点のみで考えないといけません。これがこの本の鍵であり,ミソであるため,誰を主人公とみなすかで大分ストーリー性が変わってきましたね。そこを念頭に置いておくと,とても楽しめると思います。(中2)
(・・・この人物関係図を作成するのに,どれだけの時間を費やしたことか。私にとっては気になりながら未読の1冊。今から読もうと,早速手元に置いてあります!この読書レポートのおかげです。Mさんありがとう!)