2月19日に長崎原爆資料館大ホールで行われた「朝日新聞長崎総局 ナガサキノート3000回記念シンポジウム」に社会科の小林先生が参加され、その時のレポートを書いて下さいました。
このシンポジウムは『あの日から』をつなぐというテーマで、内容は長崎の被爆の実相と東日本大震災をどう伝えるかというものでした。
第1部は東日本大震災後の被災者の抱く思いを伝えるという内容で、鎌倉から南相馬に移住されて被災者の声を聴く活動をされている芥川賞作家の柳美里さんと、同じく芥川賞作家であり現長崎原爆資料館館長の青来有一さんの対談でした。
第2部は長崎大学医学部を卒業して病院に勤務している現役若手医師による平和を願う歌のコンサートでした。
第3部は被爆の実相をどう伝えるかというシンポジウムでした。
ここでのパネリストは、長崎の被爆体験証言者の山脇さん、被爆2世の大野さん、長崎大学生の淵さんと広島の被爆体験伝承者の小林でした。
広島と同じく長崎も被爆を実際に体験された方々が高齢化され、被爆体験証言活動が難しくなるなかで、被爆体験を伝承することの大切さが改めて確認されました。
実際に被爆を体験していない自分が被爆を語るとき、その資格があるのかという葛藤がありました。しかし、そのことを私自身がこの集会に参加したことで吹っ切れたことが大きな収穫でした。
シンポジウムの最後に会場の一人の方が言われた『今日の聞き手は明日の語り部』という言葉が忘れられません。また、柳美里さんが『事実を知った人には伝える責任がある』という言葉も私の背中を大きく押してくれました。
このシンポジウムに地元長崎の中高生も参加し、伝えることの大切さを共有できたことは大きな喜びでした。
原発事故後の福島については被災者の方々の厳しい現状が語られました。
南相馬に移住されて被災者の声を聴く活動をされている柳美里さんのお話からは、
被災者の方々は広島・長崎の被爆者の方々が受けたと同じように、放射能が伝染するという根も葉もない風評被害のため深い心の傷を負っておられるという現実があることを知りました。
日本人は災害の時にも冷静さを失わず整然と行動していたという美談がある一方で、こうして心を痛めておられる方々がたくさんおられるとことを忘れてはならないと思います。
同じ被爆ということについて、もっともっと多くの国民が知らなければならないことがこんなにあるのかと驚きました。
やはりまず事実を知ること、そして伝えることの大切さをこの集会に参加して再認識しました。