以前にも紹介させていただきましたが,広島市主催 被爆70年事業 中学生による「伝えるHIROSHIMA プロジェクト」の一員に選ばれた中学3年生H・Kさんがこれまでの活動報告をまとめました。
1.活動内容
このプロジェクトの主な活動は、8月6日に平和公園に参列した海外の人に英語でメッセージを発信することです。そのための事前研修が5回ほどありました。そこで平和について考えを深めたり、メッセージの伝え方について学んだりしました。具体的には、価値観の違いを一致させる合意形成や、東京都羽村市から来た中学生と交流するなどのワークショップをしました。また、8月6日の前日には各国の大使へ自分のメッセージを伝えました。大使と一対一で会話しました。そして、8月6日に、研修で学んだことを生かして、海外の人と交流しました。同じ日に行われた青少年国際平和未来会議にも参加して、メッセージを発信しました。
2.活動を通して感じたこと
私は今回の活動を通して、一歩行動することの大変さと大切さを感じました。自分の平和メッセージを外国の方に伝えるのにあれほど時間と労力を使うとは思いませんでした。伝えるということだけでも大変なのだと思いました。そして、いざメッセージを伝えてみると、外国の方はうなずきながら聞いてくださったり、「I think so.」と賛成してくださったりしました。なかには、逆に外国の方が「私は、平和のためにこんな活動をしているんだ!」と紹介してくださる方もいました。そして、平和活動の取り組みをしているさまざまな人とも触れ合え、たくさんの刺激をもらいました。自分もなにかできることを探して、さらに行動できたらいいです。
それでは,研修してきたことを活かして,作成したKさんのメッセージを英語と日本語でご紹介します。
to People of the World
A Message for Peace
What do you think is necessary for world peace? Money? Love? Or freedom?
I think it is cooperation. When everyone in the world overcomes language and cultural barriers and learns to cooperate with each other, peace will finally come to the world.
The Review Conference1 of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons was held in New York this April. It allows possession of nuclear weapons by five countries, including the United States of America and Russia, only if they negotiate for nuclear disarmament. The review conference took about one month but, it closed without approving a final document. Gradually nuclear disarmament had been proceeding, but this time a great gulf which has developed was highlighted.
Now we need each country’s cooperation for world peace. For that, we should lay aside all hatred, which was born from war, and change it into lessons for the future, like the peace city, Hiroshima, which was born from the bombing. Living in Hiroshima, something that I can do is spread the hope and actions for peace. For that, now, while I am a student, I want to work hard to learn about world history and gain linguistic ability. For us who will take over the future, the following things are required. First we must know about the past. Next we must think about it from many angles. And last we must find what the world today needs and act with our imaginations. We must avoid making the same mistakes. If everyone in the world cooperates, the world will change. Our own hands can change the world.
H・K
広島の中学生から世界の人々へのメッセージ
平和メッセージ
世界平和の実現に欠かせないものは何でしょうか?お金?愛?それとも、自由?私は協力だと思います。世界中の国がお互いの価値観の壁を乗り越え、協力し合えた時に、初めて平和が訪れるのではないでしょうか。
今年の4月にニューヨークで開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議。アメリカやロシアをはじめとする5か国に核保有を認める代わりに、核軍縮の交渉を求めるものです。1か月間にも及んだその会議で最終文書が合意されずに閉会しました。ようやく核軍縮が進められ始めていたというのに、大きな溝が浮き彫りにされました。各国のリーダーの話し合いには何十億人もの命がかかっているのです。
今の世の中に必要なのは各国の協力です。そのためにも、戦争によって生まれた過去の憎しみをいつまでも持つことなく、それを未来への教訓に変えることが必要です。平和都市広島が怒りや憎しみではなく、未来の平和を願う人々によって生まれたように。広島に住んでいる私にできることは、その平和への願いを伝えて平和活動を広めることです。そのために、学生である今は、世界の歴史を学び考えること、語学力をつけることに励みたいと思います。これからの未来を担う私たちには、まず過去を知ること。そして、多方向から考えること。最後に今の世の中に必要なことを見つけ、想像力で生かすこと、が必要とされています。これらの事が過ちを繰り返さないことにつながります。みんなが協力すれば、世界は変えられます。私たちの手で世界平和は実現できます。
Kさんは,昨日,お伝えした「青少年国際平和未来会議」にも参加し,
中高生の出会いがさらにひろがっています。研修で出会った他校の生徒の
皆さんが積極的に発言していたというように,刺激も大いに受けたそうです。
そして,いろいろな活動を国際会議やこうした事業は広島市教育委員会の
皆さまや関係者の皆さま方にお世話になりました。どの生徒たちも
充実していたようすを活き活きと語ってくれます。
改めて,お礼を申し上げます。